頭の水虫がペットからの感染で増えている?毛が抜けるのは水虫かも・・

水虫と聞くと足を思い浮かべるひとが多いと思いますが、じつは頭にも水虫は感染します。

最近は飼っているペットからの感染で頭の水虫になる人が増えています。

脱毛症やフケ症などど間違えて、処置を誤ると悪化して重症化することもあります。

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頭の水虫がペットからの感染で増えている

頭の水虫02 - コピー

なんだか最近抜け毛が増えてきた・・・

フケも増えている・・・

そういう理由で皮膚科を受診したら「頭部白癬(とうぶはくせん)」と診断される人が増えています。

頭部白癬とは「しらくも」とも呼ばれる「頭の水虫」です。

飼っているペットの犬や猫が感染した水虫の菌が、飼い主にうつることがあるんですね。

水虫は人から人だけにうつると思っている人が多いですが、ペットからの感染が増えています。

水虫は「白癬(はくせん)」という感染症で、原因は皮膚糸状菌というカビの仲間「白癬菌」によるものです。

◆日本で多い皮膚糸状菌による感染

●トリコフィトン・ルブルム

●トリコフィトン・メンタグロフィテス

●トリコフィトン・トンズランス※

※最近増え始めた、海外から入ってきた白癬

柔道やレスリングなどの格闘技をする選手によって感染し、日本に広がりました。

「新型水虫」ともいわれたことがあり、毛が抜けたところが黒い点になるのが特徴です。

●ミクロスポルム・カニス※

※ペットからの感染となる原因菌

治療しないで放置したり、皮膚科を受診しても症状によって他の皮膚病などど間違われ、適切な治療を受けずに重症化することもあります。

放置すると、体の他の部位にも感染したり、菌が体内にまですすむとリンパ節が腫れたり、発熱することもあります。

頭の水虫に感染する人は少ないので、まさか・・・と思うひとが多いようです。

爪水虫はテレビCMの影響でだいぶ認知されるようになりましたが、頭の水虫はまだまだ知られていないようです。

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頭の水虫に感染した場合の症状と治療方法

【頭部白癬(しらくも)に感染した場合にみられる症状】

・楕円上に髪の毛が抜ける

・頭皮の表面にフケのようなピンク色の細かい鱗屑(りんせつ:うろこ状のかさつき)が見られる

・かゆみなどの症状はほとんどない

・フケが多量に発生する

・患部が赤く腫れ上がる

このような症状が出る場合があります。

通常の場合、症状は比較的軽く、そのため放置されているケースも多いようです。

脱毛の場合もかゆみがほとんどないことから、円形脱毛症やフケ症、脂漏性皮膚炎などを間違われることもありますね。

【しらくもの治療】

頭部白癬(しらくも)であるかどうかは皮膚科を受診し、頭皮から採取した毛髪やフケなどの細かい鱗屑などを顕微鏡で調べます。

そして、そこに白癬菌の有無を確認して診断されます。

しらくもと診断された場合、白癬菌が頭皮についているだけの状態では水虫の薬を塗ったり、水虫の薬を含有するシャンプーで先発することによって症状が良くなることがあります。

でも頭皮だけでなく、毛まで感染していた場合はぬり薬を使用すると悪化することもあるので、原則は「飲み薬」で治療します。

この飲み薬を使う治療は以前は2~3ヶ月間くらいかかっていました。

ところが最近、イトラコナゾールやテルビナフィンという飲み薬が出て、1~2ヶ月間くらいの治療ですむ場合が多くなったようです。

ペットが原因で感染した場合はペットの治療も同時に行う必要があります。

飼っている犬やネコも治療するのはもちろん、飼い犬や飼猫にふれないのは難しいかもしれませんが、体にふれないようにすることも重要です。

頭部白癬(しらくも)を予防する方法は?

頭の水虫03 - コピー

【頭の水虫の予防方法は?】

皮膚糸状菌の栄養源は皮膚や毛、爪などにあるケラチンというタンパク質です。

高温多湿の環境で増殖するので、お風呂やプールなどは感染しやすい場所になります。

家庭内で感染者がいる場合はバスマットなどの共用も避けたほうがいいでしょう。

もちろん、タオル・ブラシの共用もNGです。

帽子やヘルメットの共用もNGですね。

家族に感染者がいた場合、治療中は感染していない人も毎日洗髪した方がいいでしょう。

トリコフィトン・トンズランスが原因となる頭部白癬が柔道部などの運動部で感染者が出た場合、感染力が強いのに症状があまり出ない事が多いので、感染した人に接触した人全員で、「抗真菌薬剤」を使用したり、「水虫の薬を含むシャンプー」で洗髪したほうが安心かもしれません。

まとめ

頭部白癬なのに円形脱毛症やフケ症と診断されて「ステロイドの外用薬」を使用した場合に、ケルスス禿瘡(とくそう)とよばれる、おできのようになって痛みがあり、膿んで盛り上がった状態になることがあります。

治療を続けても炎症や腫れなど、症状が悪化した場合は詳しい診察を受けたり、別の病院で診察してもらうことも必要かもしれません。

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