古都鎌倉には多くの観光客が訪れます。その鎌倉で毎年行われている鎌倉まつりは1959年より続いています。
「ミス鎌倉」のお披露目や「静の舞」と「流鏑馬」など、伝統文化が体験できる催しが予定されています。
第58回 鎌倉まつり 2016
今年、2016年の鎌倉まつりは2014年11月より2016年3月31日まで(予定)の段葛(だんかずら)全面改修工事が終わり、2016年4月にお披露目されることになっています。
その段葛の完成を祝して「奉納 段葛改修工事完成記念行列巡行」が実施されます。
※鶴岡八幡宮の表参道「若宮大路」は源頼朝が妻である政子の安産祈願のために造営させたと伝えられていますが、その中央に一段高く造られたのが「段葛(だんかずら)」です。
今年もパレードは行われません。
【第58回 鎌倉まつり 2016】
◆開催日程
◎ 2016年4月10日(日)~2016年4月17日(日)
◆スケジュール
◎ 4月10日(日)
★段葛改修工事完成記念行列巡行 11:00~
流鏑馬射手ほか 二ノ鳥居~鶴岡八幡宮舞殿
★2016 ミス鎌倉お披露め 13:00~
鶴岡八幡宮舞殿
★静の舞 15:00~
吾妻流 吾妻聖香 鶴岡八幡宮舞殿
◎ 4月13日(水)
★頼朝公墓前祭 10:30~
◎ 4月15日(金)・16日(土)
★野点席 10:00~15:00
表千家流 鶴岡八幡宮境内
◎ 4月16日(土)・17日(日)
★野点席 10:00~15:00
裏千家流 鎌倉大仏殿 高徳院境内
◎ 4月16日(土)
★義経まつり 13:00~
腰越満福寺
★伊豆の国市子ども創作能「伊豆の頼朝」 14:00~
鎌倉宮拝殿
◎ 4月17日(日)
★流鏑馬 東日本大震災 継続復興支援義援金事業 13:00~
武田流 鶴岡八幡宮馬場
荒天などやむをえない事情で内容変更や中止もあります。
【流鏑馬などの開催についての問い合わせ】
◆鎌倉市観光協会
◎ TEL:0467-23-3050
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鎌倉まつりで必見の「静の舞」
この鎌倉まつりでの見どころのひとつになっている「静の舞」。
京の白拍子だった静御前は干ばつが続いていた時に、後白河法皇が「雨乞いの舞」を白拍子100人に舞わせた時、最後に舞ったんですね。
それまで99人の白拍子が舞っても雨は降らなかったのに、静が舞うと3日間、雨が降り続いたといわれています。
その時に源義経に気に入られて妾になり、義経が兄の頼朝と不仲になって京を追われる時も一緒に行動していたのですが、吉野で義経一行は山伏姿になって東国に向かいます。
その時、静には金銀を持たせて、供の者をつけて京へ送らせようとしたのですが、供の者の裏切りで金銀を奪われて置き去りにされます。
そののち、静は捕らえられて義朝のもと、鎌倉へと送られます。
頼朝に義経の行方を厳しく問われても、静はけっして答えなかったんですね。
その時の静はお腹に義経の子を宿していたそうです。
素晴らしい舞で名高い白拍子だった静の舞を頼朝と妻の政子が懇願し、最初は断っていた静も折れて舞うことになります。
目に浮かぶようですね、その時の圧倒的な美しさと悲しさが伝わる舞が・・・
あまりにもあでやかで美しいその舞は、見たものを感動させずにはいられなかったようです。
その時に歌った歌は有名ですよね。
「吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき」
「しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしもがな」
と、義経を慕う歌だったので、頼朝が激怒したのですが、妻の政子は同じ女性として静の気持ちが理解できたため、頼朝をなだめたようです。
それにより静は処分されることなく、男の子を産みます。
女の子であれば生かされていたかもしれませんが、男の子であったため、その子は殺害されて亡骸は由比ヶ浜に沈められたそうです。
傷心の静は京に帰されるのですが、その後の消息は途絶えてしまったそうですね。
とっても悲しい物語です。
それ故、人々に語り継がれ、静御前をしのび毎年4月の第2日曜日に、鶴岡八幡宮舞殿にて「静の舞」が再現されています。
今年、2016年に「静の舞」を舞うのは鎌倉生まれの「吾妻流 の吾妻聖香」さんです。
2010年にも「静の舞」を舞っています。
母親であり、師でもある吾妻君香さんも「静の舞」を鶴岡八幡宮で舞っているんですよ。
静御前が頼朝と政子の前で、どんな気持ちで舞ったのか想像しながら見ると、また深い感銘を受けるかもしれませんね。
鎌倉まつりといえば、やっぱり流鏑馬
鎌倉まつりの流鏑馬は、首都圏であればよくニュースで放送されるので、知っている人も多いですよね。
疾走する馬上から鏑矢(かぶらや)を放って的を射る弓術で、この鎌倉まつりでは武田流の流鏑馬が奉納されます。
鶴岡八幡宮馬場の約250メートルを、馬を疾走させながら3つの的を次々に射る神事です。
舞殿で神事が執り行われた後に「天下泰平、五穀豊穣、国民安堵」を祈念する「天長地久の儀」が執り行われ、その後に馬場入りします。
最初は的を射らないで、全力疾走させる「素馳(すばせ)が行われます。
足慣らしですね。
その後に決められた回数の「奉射(ほうしゃ)」が繰り返されます。
的は「式の的」と「板小的」です。
「競射」は「奉射」を行った射手の中から成績が良かった人が選ばれます。
その時の的は「土器三寸の的」です。
2枚の土器を合わせて、中に五色の切り紙を入れて張り合わせたものだそうです。
見事に命中すると土器は砕けて、半吹雪のように切り紙が舞うようになっています。
【注意事項】
◆流鏑馬は通常、小雨決行です。
◆三の的裏のトイレは流鏑馬の時は安全上、使用禁止です。
◆三脚・一脚、脚立、日傘の使用は禁止です。
◆フラッシュの使用も馬が驚く危険があるので禁止です。
◆この流鏑馬は「東日本大震災 継続復興支援義援金事業」となっていますので、協賛席※が用意される予定です。
※通常、3月中旬に発売されます。
※問い合わせ 鎌倉市観光協会(0467-23-3050)
まとめ
昨年の「静の舞」には来場者が約3万人、流鏑馬に2.5万人だったそうです。
「静の舞」は10日で、「流鏑馬」は17日ですから間違えないようにしてください。
両方行くことが出来れば問題ないですけどね。
美しい白拍子の舞を見て、古の時に旅する気分になるのもいいですよ。