最近、シニアカーを運転している高齢者をよく見かけるようになりましたね。
足が悪い人でもシニアカーを利用すれば、外出が楽になりますが事故も増えています。
シニアカーとセニアカーの違いや、事故防止のために注意すべきポイントなどについて紹介したいと思います。
シニアカーとセニアカーの違いは?
シニアカーはスズキ株式会社がコートまでの移動手段として発売されたものが始まりです。
コートと言ってもテニスコートではなくて、高齢者の間で人気になっていた「ゲートボールコート」までの移動手段として広まりました。
そのスズキは商標として「セニアカー」を使っていたのでこの名称が一般的に広がりました。
ですから通常はハンドルがついている電動車いすは「シニアカー」と呼びます。
日本工業規格では「ハンドル形電動車いす」という呼称が使われていますが・・・
自転車は軽車両の分類されていますが、シニアカーは「歩行者」として扱われます。
ですから運転免許は必要ありません。
「シニアカー」に乗っている時は「歩行者」としての扱いなので「歩道」を通行し、信号は「歩行者用の信号」に従って通行します。
最高速度は時速6kmで、それを超えないように法律で定められています。
歩道がない道路は右側を通行します。
この「シニアカー」はバックも出来ます。
「シニアカー」はスズキなどのオートバイを販売しているメーカーや農機具を販売しているメーカーで製造されています。
価格は30万円~40万円くらいが多いですね。
「シニアカー」は一回の充電で約17~27kmくらい走行できますが、坂道が多かったり、道に段差があったり、雪道などの走行の場合は走行時間が短くなります。
1回にかかる満充電までの時間は3~12時間くらいですね。
8~9時間で電気代は30円くらいです。
充電も簡単で、充電コードを家庭用 100V コンセントに差し込むだけです。
最近のシニアカーは4輪タイプが主流となっています。
シニアカーは非課税商品ですから、消費税はかかりません。
「シニアカー」を自宅付近の道路ではなく、商業施設でも利用したい場合、通常、走行許可は施設管理者の指示に従って利用します。
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シニアカーでの事故を防ぐには?
「シニアカー」は運転免許がなくても簡単に乗れるので甘く見てしまいがちですが、最初のうちは自宅周辺で家族などの付き添いのもとで練習してからのほうが安心です。
「シニアカー」の普及に伴い、人身事故が多く発生するようになり、なかには死亡事故もあります。
車との接触だけでなく、歩行者にぶつかって加害者になるケースも多く見られます。
「シニアカー」は「歩行者」扱いなので、歩道を通行することになっていますが、それを知らない人のほうが多い上、運転している本人も勘違いして車道を走っている場合もあります。
歩道を通行する場合も、他の歩行者に十分注意を払っていないと危険ですから、人が多いところなどはスピードを出さず、減速したり一時停止したりする必要もあります。
「シニアカー」の事故で多いのが「横断歩道」を渡っている最中です。
かなり渡るのに時間がかかって、横断中に赤信号に変わってしまうことも多いようですね。
また、多く見られるのが充電切れです。
出かける前にきちんとバッテリー残量を確認しないで出かけ、途中でバッテリー切れを起こすケースが多いです。
途中で止まってしまった時に、パニックになって故障だと勘違いしている人も多く見られるようです。
パネルのバッテリー残量は出かける前にしっかり確認してから出かけましょう。
充電中に途中でやめると思ったよりも充電できていない時がありますよ。
走行に関しても、場所によっては道路に側溝があったりして、慣れないうちはそこに落ちてしまうこともあります。
遠出をする前に自宅周辺で十分練習して、シニアカーに慣れてからにしたほうがいいですね。
【シニアカーに乗る時の注意事項】
◆使用する前にかならずバッテリー残量を確認する
◆坂道が多いところなどは走行距離(走行時間)が短くなるので、それを考慮に入れて出かける
◆遠出の際は満充電で出かける
◆勾配が10度以下の坂道以外は登らない
◆段差はなるべく避ける
※慣れないうちはバランスを崩して転倒する危険もある
※段差は高くても8cm以下で、段差に対して直角で低速で乗り越える
◆夕方は早めに点灯する
※他の歩行者や自動車などに存在を知らせて危険を回避するため
◆歩行者信号が赤に変わりそうなときなどは、無理に横断歩道を渡らない
◆信号がない横断歩道の場合は、とくに車に注意して渡る
◆踏切を渡る時は、最初のうちは介助者と一緒に渡る
シニアカーの保管方法と保険について
【シニアカーの手入れや保管方法】
◆保管場所には自転車2台分くらいのスペースが必要
◆雨・露・雪・直射日光などが当たらない場所に保管
◆あまり乗らない場合も1ヶ月に1回は充電する
※バッテリーは自然放電するため
◆シニアカーの汚れは固く絞ったやわらかい布で拭き取る
◆残量ギリギリまで使用するとバッテリーの寿命が短くなる
◆あまり使用しないうちの充電もバッテリーの寿命が短くなる
◆タイヤはパンクの心配のないパンクレスタイヤなので安心
【保険について】
◆介護保険とシニアカー
シニアカーは介護保険で決まった認定を受けている場合は「福祉用具」としてレンタルすることが出来ます。
その場合は1割負担程度なのですが、通常、目安としては「要介護2~5」でOKだと思います。
「要支援1・2」「要介護1」はレンタルは難しいかもしれません。
その場合は自費購入ということになります。
レンタルできるかどうかはご自分が住んでいる市区町村に問い合わせたほうがいいですね。
◆事故に対する保険
「シニアカー」に対する保障で自動車保険のようなセットプランはあまり販売されていません。
◎ 搭乗者ケガや死亡時
◎ シニアカーの車両破損
◎ 対人・対物保障
これらの保障ごとに保険に加入する必要があります。
※スズキの「セニアカー」では車両補償・障害補償・賠償補償がセットになった保険があります。
同居の家族がいる場合は、通常の自動車保険に「人身傷害保障」を付帯させたり、「弁護士費用特約」が付帯されているとカバーできる場合が多いです。
「賠償責任保険」も特約として加入して契約している場合は安心です。
最近は自転車が加害者となって、高額な倍賞を請求されるケースが増えていますが、シニアカーも加害者になる可能性がありますから、保険の加入をしておいたほうが安心して乗れますね。
まとめ
シニアカーは歩行者扱いとはいえ、重いものは100kg近いそうですから、歩行者や自転車にぶつかれば相手を負傷させてしまう危険も大きいです。
手軽に乗れて便利な半面、危険意識が低く、事故につながるケースも多いようですから気をつけて乗りたいですね。