親が年をとって介護が必要になることがあると思いますが、その親が認知症になった場合は介護する人にとっても、いろいろ戸惑う事が多いと思います。
とくに排泄に関することではいろいろ注意が必要な場合があります。
認知症の介護で排泄に関する注意点
介護が必要になった親の面倒を見る場合、介護認定をしてもらいますが自宅で介護する人も多いと思います。
今は独身の長男などが母親の介護をしたりしている人も多いですよね。
娘でも親の下の世話は大変だと思いますが、息子だともっと抵抗があるかもしれません。
でも、親の介護に直面した時に、しなければならないことや注意しないといけないことなどがたくさんあります。
とくにただの物忘れじゃなく、認知症になっている場合、早めに気づくことも大切です。
なかなか自分の親が認知症というのを受け入れるのはつらいかもしれませんが・・・
認知症の症状にもよりますが、最初の頃はトイレまで間に合わなくて失禁することが増えてきたりします。
それが認知症が悪化してくると排尿したり、排便したことに本人が気づいていない場合も増えてきます。
介護をしている人が気づいてトイレに行くよううながしても、漏らしていないと拒否することも・・・
たいていはトイレに連れて行くとしっかり漏らしているのですが、漏らした感覚がなくなってくるようです。
とくに80代以上になると手足も動きがきかなくなるので、排便後にきちんとおしりを拭けないことが多くなります。
ちゃんと見てあげないと、おしりにうんちがこびりついていることもありますからね。
赤ちゃん用なども「おしり拭き」がありますが、介護用にも「おしり拭き」があります。
トイレに流せるタイプと流せないタイプがあるので、よく見て使うといいですね。
流せるほうが便利ですが、流せないものはフタ付きのバケツなどをトイレに置いておく必要があります。
おしりを拭いてあげる時は使い捨ての手袋をトイレに置いておいて、それを使うようにします。
感染症などの予防も必要ですから。
失禁などが増えてきた場合は、紙パンツ(リハビリパンツ)などにしたほうがいいですね。
汚れたら捨てられるので便利ですから。
ただ、親によっては紙パンツでも「紙おむつ」のイメージが強く、拒否して布の下着を使い続ける人もいます。
それでもやはり漏れるのが心配なのか、何枚も重ねてパンツなどをはく人もいるんですよね。
そうなると、漏らした時に何枚もの洗濯物となり、1日に数回漏らすと洗濯物の量もものすごく多く、場合によっては1ヶ月分かと思うくらいになる人もいます。
平常心で・・・が基本なのはわかっていても、家族だとつい、強い口調で注意したくなってしまいますが、慣れるまでけっこう大変だと思います。
足などが悪い場合は立ち上がるまで時間がかかりますし、立ったり座ったりが大変なのでトイレに行くよう促しても、なかなか早めに行こうとしないという傾向もあります。
でも言い方に気をつけないとプライドを傷つけるので、かえって反抗的になったりするので注意が必要です。
また、認知症がひどくなると、年代が80代以上の人はとくに昔の経験からか、トイレの便器にたまっている水で手を洗おうとする人もいるようです。
汲み取り式の頃は洗面器のようなものに水を入れておいて、それで手を洗っていたからのようですが・・・
なかには手の洗い方もわからなくなる人もいるようですから、気をつけて見てあげたほうがいいですね。
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失禁などで汚れた下着を隠す
子どもがおねしょやおもらしをしてしまった時に隠そうとするのと同じで、失禁などで汚れた下着を隠す人が認知症の人は多いです。
タンスの引き出しに入れてしまったり、ベッドの下や押入れに入れたりと隠す場所はさまざまです。
認知症になっても「羞恥心」はあるので、隠そうとしてしまうんですね。
でも、けっこう臭うので探すとたいてい汚れた下着を発見することに・・・
そのまま汚れた下着や衣類を入れることもありますし、ビニール袋に入れてから隠す人も。
また、汚れた下着を洗わないでそのまま干していることもあります。
よく見てないと見落とすので、かなり神経を使いますね。
ただ、行動がパターン化していることもあるので、隠し場所などはだいたい見当がついてくることもあります。
紙パンツを使用する時の注意点
紙パンツを使用するようになって、だいたい問題が起こることにひとつに、それを便器に流してしまうことです。
水を含んだ紙パンツが流れるわけがなく、トイレが詰まって床が水浸し・・・という経験をする人が結構いると思います。
介護する方は大変です。
でも本人はなぜ流れないのかわからずに、何度もレバーを引くのでトイレの水があふれてきます。
ですから、紙パンツを使用するようになったら、便器に流さないようフタ付きバケツなどをトイレに置いて、そこに入れるように教えておく必要があります。
それでも何回かまた、繰り返すことが多いですが・・・
もうひとつ、紙パンツ使用時の注意は汚れた洗濯物のように、洗濯機に入れてしまうことです。
紙パンツが入っているのを知らなくて洗濯した場合、悲惨な結果が待っています。
ジェル状のものが他の洗濯物にザラメのようにくっついていて、簡単に取れません。
洗い直す前に、そのジェル状のものを払う必要があります。
庭がある人は外で1枚1枚、洗濯物を振って払い落とすのが一番早いです。
でもマンションなどでは大変ですよね。
そういう場合はベランダなどで、大きいゴミ袋の中で振って落とすしかないかもしれません。
さらに、洗濯物だけじゃなく、洗濯槽も掃除が必要になります。
ゴミ取りのところを掃除し、ベタついた洗濯槽を雑巾やキッチンペーパーなどを利用して、何度も拭く必要があります。
かなりの重労働になりますから、洗濯前に紙パンツが混入していないか、必ずチェックする習慣をつけたほうが安心ですし結果的に楽ですね。
紙パンツや紙おむつ、尿とりパッドなどの消耗品は購入というかたちですので、基本的には介護保険は使えませんが自治体によっては補助や支給のサービスがあるところもありますので、お住まいの自治体に聞いてみるといいですね。
あっても条件を満たしていないとダメなことが多いですが、聞いてみないとわかりませんので。ケアマネジャーさんに相談するのもいいですよ。
紙おむつや紙パンツを使うようになると、便利ですが出費がかなりかかるようになります。
できるだけ、まとめ買いなどをしたほうが費用をおさえられます。
まとめ
認知症がひどくなってくると、ガスを使っている場合はとくに注意して下さい。
つけっぱなしで外に出るなどはひんぱんにあります。
IHならまだ少しはガスより安心ですが、電子レンジやオーブントースターなども気をつける必要があります。
オーブントースターに入れてはいけないものや、電子レンジでは使えないものなどの区別ができなくなりますので、ちょっと間違えると火事になる危険性もあります。
まだ認知症と診断されていなくても、鍵などをひんぱんに無くしたり、置いた場所がわからなくなったりするようになったら、認知症を疑う必要があるかもしれません。たぶん、本人は怒って否定すると思いますが・・・初期症状として多いものです。
数分前に聞かれたことを繰り返し聞いてくる時も気をつけたほうがいいですね。