近年話題になっている「鼻うがい」はたんにインフルエンザや風邪の予防としてではなく、免疫力を高める効果があります。
のどのうがいもいいのですが、鼻うがいも日常的に行うほうが体のためにいいんですね。
ただ、間違った「鼻うがい」ではなく、正しい方法でやらないと効果がありませんよ。
慢性上咽頭炎を鼻うがいで改善させて免疫力を高める!
上咽頭(じょういんとう)は「のどちんこ」の裏側に位置する部位で、ここは免疫システムとって重要な部位なんですね。
鼻の奥であり、喉の入口部分といったところですが、この上咽頭のリンパ球が空気とともに入ってきた異物をす防ぐ役割を担っています。
この上咽頭の重要性に気がついたのは腎臓病の患者さんを多く見てきた、堀田修先生です。
この上咽頭が炎症を起こし、それが悪化して慢性化すると自律神経のバランスが崩れ、血流障害や高血圧を引き起こしたりする原因になっているようです。
また、慢性上咽頭炎になると「花粉症」「アトピー性皮膚炎」などのアレルギー性疾患を発症しやすくなるようです。
なかなか治りにくい腎臓病の患者さんの多くが、この慢性上咽頭炎になっていたことを堀田先生は発見し、この慢性上咽頭炎を治療することによって腎臓病の改善に役立ててきたそうです。
慢性上咽頭炎の治療には「塩化亜鉛溶液」を塗布して治療するそうですが、これは劇物指定なので一般に手に入れることはできません。
それに変わるものとして「生理食塩水による上咽頭の点鼻洗浄」、つまり「鼻うがい」をすすめているんですね。
通常の鼻うがいより、「生理食塩水による上咽頭の点鼻洗浄」というのは一度に使う生理食塩水も少量です。
この鼻うがいを続けることによって、風邪やインフルエンザ予防だけでなく、多くの病気の改善に効果が期待できるようですから習慣にしたいですね。
一時期、子宮頸がんワクチンの摂取によって、重篤な副反応に苦しむ女子学生のことが話題になりましたが、なんと堀田先生が調べた全員の女子学生41名に「慢性上咽頭炎」が認められたそうです。
その中の16名に「慢性上咽頭炎」の治療をしたところ、13名は症状が改善し、多少の障害が残っても、学校に通えるようになるまで回復したそうです。
上咽頭の炎症って、ほんとうにいろいろな病気に影響しているんですね・・・
この部分の炎症が免疫システムに悪影響を与えているなら、慢性上咽頭炎を改善して元気になるために「鼻うがい」を続けてみる価値はあると思いますよ。
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鼻うがいは生理食塩水で!
鼻うがいの方法もいろいろな方法が紹介されています。
まずは堀田修先生の鼻うがいの方法です。
帰宅時や入浴中を推奨していますが、寝ている時に口呼吸になる人は、起床時にするといいそうです。
堀田先生の方法は通常、よく見かける鼻うがいの時に使う生理食塩水のものと量が違うので気をつけましょう。
【生理食塩水による上咽頭の点鼻洗浄方法】
◆用意するもの
◎ スポイト
◎ 精製水もしくはミネラルウォーター 100ml
◎ 食塩 0.9g~1g
※0.9gが計量できる場合は0.9gで
◆鼻うがいのやり方
◎ 食塩と水を混ぜて生理食塩水を作る
◎ スポイトに2ml程度入れる
◎ 頭を60度位、後ろに傾けながらスポイトを鼻の穴に入れて、生理食塩水を落とす
◎ 左右とも行う
※1日に数回行う
※のどに落ちたら吐き出さずに飲み込む
※スポイトを鼻の奥まで入れすぎないように注意する
※生理食塩水は水筒などの入れると冬場なら1週間程度、保存できるがはやめに使いきる
【別の鼻うがいの方法】
◎ 精製水などをつかって生理食塩水200mlを作り、25℃~30℃弱に温める
◎ 100均などで売っている細いノズルがついているドレッシングボトルなどに入れ、上を向いて半分を鼻に注入する
◎ 口に落とし、口から水を吐き出す
◎ 洗浄終了後に前屈みのまま頭を左右に傾けて、鼻腔内に残っている洗浄液を鼻から排出する
◎ その後で片方ずつ軽く鼻をかむ
※つよく鼻をかむと耳に悪影響が出ることがある
※この量の生理食塩水を飲み込むと、人によってまれに耳に流れて中耳炎になることがあるので注意
【鼻うがいの器具を使う方法】
世界一受けたい授業で紹介された「ナサリン鼻うがい器」や「ハナクリーンEX」などを使って鼻うがいしてもいいですね。
ハナクリーンEXなどは携帯するには向きませんが、家庭で使うなら温度管理もできて、ポンプを押すだけなので簡単です。
生理食塩水は自分で作ったほうが安く済みますよ。
精製水などはドラッグストアで買えますし、ミネラルウォーターでもいいですしね。
鼻呼吸に変える「あいうべ体操」
いびきの改善などでも効果があるといわれている「あいうべ体操」は、口呼吸を鼻呼吸に変えるために行う口と舌の体操です。
口呼吸をしている人は風邪をひきやすくなったり、口の中が乾きやすくなって口臭の原因になったりします。
口から呼吸すると体にとって侵入させたくないものを取り入れてしまいますが、鼻から呼吸するとそれらを食い止める機能が備わっているので、風邪などもひきにくくなるんですね。
「あいうべ体操」を行っていくと舌の位置が改善され、様々な症状も改善されるといわれています。
インフルエンザ予防に小学校で「あいうべ体操」をとりいれたところ、効果が高かったことも話題になりましたね。
いつでもどこでも出来る簡単な体操ですから、お風呂に入っている時やテレビを見ながらなど、すぐできますから習慣にしておきたいですね。
あいうべ体操のやり方はこちらの記事でどうぞ↓
⇒■関連記事 夫のいびきをなんとかしたいと思っているあたなに!いびき改善体操を紹介(あいうべ体操)
まとめ
たまに鼻うがいを「水道水」でやってしまって、痛い思いをした人もいるみたいですね。
鼻うがいは絶対に「生理食塩水」で行うべきで、普通の水道水を使うと浸透圧の関係で鼻粘膜に非常な悪影響を与えます。