食品の中には乾燥剤が入っているものがけっこうありますよね。
焼き海苔の袋とか、乾物類、クッキーなどに入っていますよね。
また、非食品にも乾燥剤が入っていることがありますが、この乾燥剤を再利用するのには危険があることも知っておかないと大変なことになるかもしれません。
乾燥剤を再利用するときの危険性
【乾燥剤の再利用の危険性】
◆シリカゲル
乾燥剤というとなじみのあるものにシリカゲルがありますよね。
シリカゲルの中には吸湿前は「青」で吸湿すると「うすいピンク」になるものもあります。
見たことがある人のほうが多いのではないでしょうか?
この青から、吸湿して、うすいピンクに変わる物質「モイスチャーインジケーター」がシリカゲルに添加してあると、そのシリカゲルを電子レンジやフライパンで加熱して再利用するのはオススメできません。
モイスチャーインジケーターには塩化コバルトという物質が利用されていて、高熱をかけることによって有害な塩化水素ガス(HCl)が出てくる可能性があるのです。
またフライパンで急激に高温で加熱すると飛び散って火傷の原因になったり、目に入って危険ということもあります。
安全に再利用するには低い温度で煎ることが大切ですが、危険性を認識した上で、乾燥剤の再利用は控えたほうがいいといえます。
◆石灰乾燥剤
石灰乾燥剤は海苔や乾物類の食品などによく入っていますよね。
石灰の乾燥剤は粒状の「生石灰」(酸化カルシウム)です。
これは石灰岩(炭酸カルシウム)を砕いて、炉の中で高温で焼いて作るのですが、生石灰が水分と化学反応すると「消石灰(粉状)」になります。
生石灰は水と激しく反応し発熱するため、誤って水がかかったりすると火傷や火災の恐れがあります。
目に入ると失明の恐れもあるほど危険なものです。
そのため、この石灰乾燥剤は丈夫で破れにくい袋に入っていますよね。
この袋を破る時は完全に湿気を吸って「消石灰」になったものでないと危険なのです。
石灰乾燥剤は使い捨てなので再生して再利用というのはできません。
石灰乾燥剤を土壌改良などに再利用する場合は生石灰が完全に消石灰に変わっていることを確認し、袋を破る時も周囲に粉が飛び散らないように細心の注意を払う必要がありますね。
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乾燥剤の種類
【乾燥剤の種類】
◆化学的乾燥剤
※石灰乾燥剤 化学反応により、水と化合することで吸湿し、生石灰から消石灰へと物質が変化するため再生はできない
◆物理的乾燥剤
※シリカゲル・ケアドライ・デシパックなど 物質は変化せずに水蒸気を吸着する
※シリカゲルには2種類ある
◎ A形シリカゲル 食品や金属部品の保存に乾燥剤として使用され、低湿度において吸湿能力の高い
◎ B形シリカゲル 調湿剤としてコンテナ・床下等に使用され、高湿度になれば水蒸気を吸着し、低湿度になれば放出する性質を持っている
※一般的に乾燥剤としてのシリカゲルというのはA形タイプです。
※ケアドライ・デシパックの主成分はクレイ(粘土)でシリカゲルの主成分は二酸化珪素
【脱酸素剤】
脱酸素剤は、有機物や鉄粉が酸素と反応して包装内の酸素を吸収し、カビ防止、変色・変質防止、虫害防止として使われます。
使い方の注意点として、一般の脱酸素剤を乾燥剤と併用した場合には、脱酸素剤の水分を乾燥剤が吸着するために、脱酸素剤・乾燥剤ともに能力の低下をまねきます。
ですから脱酸素剤と乾燥剤の併用はしないようにしましょう。
乾燥剤の捨て方
乾燥剤の捨て方については各自治体によって違いますので、住んでいる自治体のルールに従って処分します。
燃えるゴミとして受け付けている自治体もあれば、不燃ゴミ(燃えないゴミ)として出す自治体もあります。
石灰乾燥剤は水濡れ厳禁といいましたが、水分を含むと発熱して火事や火傷の危険があります。
よくキッチンで海苔や乾物などに入っている「石灰乾燥剤」を生ごみが入って濡れている三角コーナーなどに捨てる人がいますが危険だということです。
石灰乾燥剤は乾いた状態で小さなビニール袋などに入れて、他のゴミが濡れていても大丈夫な状態にして捨てましょう。
石灰乾燥剤を振ってみて、まだ粒上の場合は効力があるので下駄箱の中の除湿用に再利用できます。
完全に吸湿すると粒から粉に変化し、体積が2~2.5倍に膨張しますので、そうなったら捨てましょう。
シリカゲルは箱のなかにいれてドライフラワーを作るときに使用している人もいますから、大量にあって、まだ効力が残っていそうなら、そういうものに使ってもいいですね。
まとめ
乾燥剤を作っているメーカーは再利用のことを考慮して作られていませんので、レンジやフライパンで加熱しての再利用は危険性のこともよく考えてからしたほうがいいですね。
効力が残っている場合はそのまま、他の食品の袋の中に入れたり、下駄箱に入れたりして再利用するほうがいいと思います。