大きな地震が起きるたびに避難所生活を余儀なくされる事が多いですよね。
阪神淡路大震災でも東日本大震災の時も、ペットがいたり、プライバシーがないなどの理由で車中泊を続ける人も少なくありません。
熊本地震でもエコノミークラス症候群などによる震災関連死が増えています。
車中泊が続いている人は予防対策をして命を守りましょう。
エコノミークラス症候群は急性肺血栓塞栓症で車中泊が続くと危険!
エコノミークラス症候群の典型的なケースは、長時間飛行機などに乗っていて同じ姿勢が続くため、足の血液の流れが悪くなって静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができ、歩行をきっかけに血液の流れに乗って肺に到着し、肺の動脈を閉塞して呼吸困難やショックを起こします。
ひどい場合は亡くなることもある恐ろしいものです。
「エコノミークラス症候群」というのは「急性肺血栓塞栓症(きゅうせいはいけっせんそくせんしょう)」のことです。
エコノミークラス症候群という名前がついていても、座っているシートは関係ないんですね。
ビジネスクラスのシートでも「エコノミークラス症候群」になる人がいます。
今月に起きた熊本地震でも、多くの人が車中での避難生活を余儀なくされている人も多いですよね。
非常に残念なことに、狭い車中泊が続くことによって亡くなった人や救急搬送された人もいます。
まだまだ九州では余震が続いているので、いつまで車中での避難生活が続くのか、先が見えずに不安を抱えての毎日だと思います。
せっかく地震で助かったのに、「急性肺血栓塞栓症」で亡くなる事のないように、予防対策をして欲しいと思います。
一概には言えないそうですが、血栓が出来やすいのは「高齢者」「肥満の人」「糖尿病患者」「高血圧の人」「妊婦」「出産直後の女性」といわれていますので注意が必要ですね。
また「骨折」などのケガをしている人や「心筋梗塞・脳梗塞」を起こしたことがある人、経口避妊薬を飲んでいる人なども「エコノミークラス症候群」になりやすいといわれているのできをつけてください。
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急性肺血栓塞栓症のおもな症状
出来た血栓が小さい場合、おもだった症状がないこともあります。
ただ、太ももから下の足の部分が赤くなっていたり、むくみや痛みがある場合は早急に医師の診断を受けたほうがいいですね。
車の中は狭いから、どこかにぶつけたのかな?・・・などと軽く見ないほうがいいと思います。
大きな血栓ができた場合は、「突発性の呼吸困難」「突然の胸痛」「頻呼吸(ひんこきゅう)」などが症状としてあらわれることが多いです。
さらに大きな血栓ができた場合、太い血管が詰まることがあり、ショック状態で死亡する例もあります・
ですから「急性肺血栓塞栓症」の症状はできた血栓の大きさに左右される傾向があります。
「急性肺血栓塞栓症」の場合は約70~80%が「突発性の呼吸困難」になることが多く、胸痛の他にも冷汗・失神・発熱・動悸・血痰(けったん)などの症状が出ることもあります。
呼吸困難や胸痛、意識障害が出ている場合は非常に危険な状態といえるので、すぐに医師に診てもらう必要があります。
巡回診察のために避難所を医師が訪れている場合は、問題がないか、見てもらったほうがいいですよ。
治療としては詰まった血栓を内科的に薬を投与して溶かす方法と、外科的に直接取り除いて、肺の血液の流れを回復させる方法などがあります。
病院にかかる場合は「循環器内科」や「呼吸器内科」を受診します。
急性肺血栓塞栓症の予防対策をして命を守ろう
車での避難生活をしていると、どうしてもあまり動かずに運動不足になり、「エコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓症)」を発症しやすくなります。
できるだけ同じ姿勢を続けないようにして、足の運動はこまめにしたほうがいいですね。
【急性肺血栓塞栓症の予防対策】
◆こまめに水分補給をする
避難生活で困るもののひとつに「トイレ」がありますよね。
そのトイレに行く回数を減らすために水分摂取も控えると「ドロドロ血液」になり、血栓ができやすくなります。
ですからこまめに少量ずつでも水分を摂取することを忘れないようにしましょう。
※アルコール類は脱水症状を引き起こすので控えたほうがいいですね。
◆ゆったりした服装にする
着の身着のままで避難した場合はなかなかそうもいきませんが、できるだけゆとりのある、体を締め付けない服装にします。
ウエストのキツイズボン・ジーンズ、体を締め付けるガードルなども避けましょう。
足首のゴムがキツイものも避けたほうがいいですね。
足のむくみ解消として知られている「弾性ストッキング」は医師などの指導のもとで正しく着用しましょう。
◆足の運動をする
片足ずつ曲げたり伸ばしたりを繰り返します。
足首を立てたり寝かせたりして動かします。
車内だけでなく、天気がいい場合は車外で体調と相談しながら運動します。
◆足のマッサージをする
できれば足がむくむ前から、毎日マッサージをしたほうがいいですよ。
とくに足首からふくらはぎのマッサージは大切です。
足の血行を良くするものとして「ひろのば体操」も効果的です。
ふくらはぎは足の血流のポンプの役割がありますから、マッサージすることによって血流を良くすることが期待できます。
これは車中での避難生活だけでなく、避難所内でも行ったほうがいいと思います。
避難所内も人が多くて、なかなか動けないこともあると思いますが、できるだけ足の運動・マッサージだけはしたほうがいいですね。
まとめ
熊本の地震で被災された方、家族をなくされた方、今は本当に苦しい時を過ごされていると思います。
余震も続いてますから、安心して眠ることすら出来ない状態だと思います。
一日も早く、地震がおさまって復興できることを心から願っています。