年々、墓を守る後継者がいなくなって、無縁墓になるところが増えているそうです。
核家族化が進み、遠方にある実家の墓の管理が高齢になると難しくなってきます。
近年はお墓に対する考え方も変わってきたので、樹木葬や散骨などをする人も増えていますね。
自分たちが元気なうちに「墓じまい」をして、遠方の墓を子どもに守らなくていいようにする人が増えているのですが、墓じまいに関するトラブルも増えています。
事前にトラブルを避けるための方法を確認し、よく考え、話し合ってから決めたほうがいいですね。
墓じまいをする時にトラブルを避けるために
先祖代々続く墓であっても、今はそこから移転して、実家なども存在しないという場合もありますよね。
お墓参りに行くにしても、泊まりがけでホテルを予約して・・・ということも。
お盆やお彼岸くらいしかいけず、思うようにお参りもできないですよね。
さらにお墓も現在守っている自分たちも高齢になり、お墓参りに費用も体力も使う遠方のお墓はどうしても重荷になってきます。
それだけでなく、子どもがいない場合はお墓を守る人がいなくなってしまうので、墓じまいを考えるようになる人が増えてきたんですね。
家の引っ越しと違い、たんに事務上の手続きだけでなく、事前に話をしておかないとスムーズな墓じまいが出来ず、トラブルになるケース起きています。
事前の話し合いが必要なのは現在、お墓を管理しているお寺の住職さんと親戚の人たちです。
墓じまいをして別のお墓、合祀墓、納骨堂などに移す場合、住職の署名・捺印入りの埋蔵(埋葬)証明書が必要となります。
そのため、墓じまいをしなければならなくなった事情などを話して、お寺側に納得してもらわなくてはなりません。
円満に墓じまいが出来るようにするためには、いきなり証明書をもらいに行くのではなく、まえもってお話をしておきましょう。
また、先祖代々のお墓だけでなく、自分たちの家族だけのお墓であっても、兄弟姉妹がいる場合は墓じまい後の遺骨をどうするかなど、はっきりさせておかないと問題になることが多いですね。
とくに後継者がいないからと合祀墓に移すことを考えている場合、年配者の中には他人の骨と一緒にすることを嫌悪する人もいますので、無縁墓にならないようにするためであることを納得してもらったほうがいいでしょう。
こういったトラブルが原因で、親戚づきあいがなくなってしまうこともありますから・・・
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墓じまいの手続きと費用 離檀料について
墓じまいをするにあたっていろいろな手続と費用がかかります。
手続きでも、自治体や地域によっては異なる場合もあるので確認が必要です。
墓じまいのために「改葬申請」がありますけど、個人でもできる簡単な手続きなので専門の法律家に頼む必要はありません。
ただ、高齢であったり、病気だったり、仕事が忙しい場合などは墓じまいの手続きなど、すべてやってくれる業者もありますので、そういうものを利用してもいいと思います。
【墓じまいの手続き 改葬の場合】
(1)改葬先の墓地や霊園の「受入証明書」を発行してもらう
(2)現在お墓のある自治体から「改葬許可申請書」をもらい記入して「改葬許可証」を発行してもらう
(3)お墓を管理している住職や管理者に「改葬許可申請書」を見せ、遺骨を取り出してもらう
※その際、「閉眼供養」「抜魂供養」「遷座法要」「遷仏法要」等を行う(宗派などにより呼び方は異なる)
(4)現在のお墓を更地にして戻す
(5)改葬先の墓地管理者に「改葬許可証」を提出し、遺骨を埋葬する
※納骨法要」「開眼供養」「建碑法要」等を行う(宗派などにより呼び方は異なる)
【墓じまいにかかる費用】
◆墓石・外柵などの処分費用
※敷地の広さや墓石の量や種類により金額が異なる
※一般的な墓地からの撤去費用として1平方メートルあたり総額10万円前後が多い
※新しい墓地に墓石を移す場合は再利用する方法も
◆遺骨を取り出す費用
◆新しく引っ越しする先、お墓や合祀墓、納骨堂などにかかる費用
※遺骨が多い場合は全部引っ越すのか、一部のみを移すのかによっても費用が異なる
◆お寺の経費 離檀料
※一般的に1回の法要で支払うお布施が目安
※3万円~20万円くらいが多い
※閉眼供養・開眼供養などの費用も別にかかることも
※お墓がお寺や霊園から遠い場合はお車代も必要
◆遺骨の洗骨や粉骨費用
※納骨堂などに改装する場合は洗骨が必要
※遺骨が多い場合や手元供養にする場合は粉骨などの費用も
一般的に費用はお墓によっても異なるのですが、200万円~300万円くらいかかる人が多いようです。
墓じまいをする前の確認
【遺骨の供養をどうするか】
◆新しい墓に移す
◆合祀墓に移す
◆納骨堂に移す
◆樹木葬にする
◆散骨(海洋散骨など)にする
◆手元供養にする
【遺骨の数と名前などの確認】
◆遺骨がいくつあるのか
◆遺骨の誰のものか(名前)
◆関係は
※お寺や霊園で管理台帳によって調べる
※骨壷だけで遺骨が無かったり、管理台帳にない遺骨が埋葬されていることもある
【両親や自分の兄弟姉妹に連絡】
◆墓じまいをして、遺骨をどうするかを連絡しておく
【現在のお墓の管理をしているお寺に連絡】
◆事情を話して墓じまいをし無くてはならないことを納得していただく
まとめ
墓じまいをすべて自分でしようとすると、頼む石材店によって費用が数十万円違うこともあるようです。
ある程度予算が決まっているなら、専門業者に任せるという方法も選択肢にいれてもいいですね。
お墓って近ければいつでもお参りに行けますが、遠いとなかなかいけないんですよね。
最近は気軽にお参りできる納骨堂にお骨を納めたり、お骨を粉骨して手元供養にする人も増えているそうです。