ドライマークがついていても、自宅で洗うことが出来るセーターはけっこうあります。
とくにビーズやスパンコールなどがついていないシンプルなものは水洗いできるものが多いです。
ただ、せっかくお気に入りのセーターを洗ったら縮んでしまって着られない・・・・
なんてことにならないように、ウールセーターを手洗いする時のポイントはしっかり押さえておきましょう。
セーターがウール100%で自宅で手洗い出来る?
既成品を購入した場合は洗濯マークがついているので、どの方法で洗濯すればいいかの目安になっていますよね。
さらに素材が何であるかもわかります。
それに比べて手編みのものなどは、編んだ糸のラベルをとっておかないと、どんな素材なのか、よくわからない場合があります。
自分で編んだセーターならラベルは残っていても、人さまからいただいた場合はわかりませんけどね。
ご近所のクリーニング店などに依頼する場合は、洗濯表示がなくても説明などでやってもらえる事が多いですあ、ネット型宅配クリーニングなどは洗濯表示がないと受け付けてもらえないこともありますね。
通常のものでウール100%のセーターで飾りがないものなどは水洗いできるものが多いんですよね。
自宅で洗うとセーターはすべて縮んでしまうと思っている人もいますが、ポイントを押さえれば大丈夫な場合が多いですね。
ただ、自宅で洗う場合にはいくつかの注意点があり、また仕上げアイロンを使ったほうが美しい仕上がりになります。
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ウールを手洗いする時の注意点は?
ビーズやスパンコールなどを使ってあるセーターは自分で洗って失敗すると大変なので、近所のクリーニング店に持って行ったほうがいい場合があります。
自分で洗う時は注意点を確認してから洗うことをオススメします。
【手洗いする場合の注意点】
◆手洗いする時の水温は一定の温度で
ウールのセーターをたらいなどを使って自分で洗いたい時もありますよね。
その場合に一番注意するのは「水温」です。
よく、ニットはぬるま湯で洗って・・・
と聞いたことはないでしょうか?
このぬるま湯は気をつけて欲しいポイントですね。
じつはウールのセーターなどが洗濯後に縮んでしまうのは「温度差」が関係あります。
たとえば洗う時にぬるま湯で洗っても、すすぎなどに使う水に温度差があると縮むんですね。
ぬるま湯で洗った後に水ですすいだら、ほとんど縮む可能性が高いです。
少しの温度差なら、おもいっきり縮んでしまうことは少なく、10%~15%くらいでしょうか?
それでも縮めば困りますよね。
一番失敗しないのは「水」だけで洗うことです。
水道の水をそのまま使えば、洗う時もすすぐ時も同じ温度です。
ウールやカシミヤは通常「30℃以下」で洗ったほうがいいと言われてますが、最初だけなら水温を測ってもいいかもしれませんが、すすぎの時も同じ水温にするのって、けっこう難しいし面倒です。
ですからウールのセーターを手洗いする場合は「水」で洗うことをオススメします。
◆使う洗剤
ウールのセーターなどを手洗いする場合は「おしゃれ着洗い用専用洗剤」を使いますが、「プロ・ウォッシュ」がいいですね。
他の市販の「おしゃれ着洗い用専用洗剤」でもウールなどに限って手洗いするというのなら、それでも大丈夫ですが、「プロ・ウォッシュ」なら水洗いができないとされている「レーヨン」でも「短時間」で仕上がれば水洗いができます。
同じように「キュプラ」も短時間洗浄で洗えます。
この「プロ・ウォッシュ」が優れているのはプロ用に開発された洗剤なので、衣類を守る成分が一般的なドライマーク洗剤に比べて15~17倍も入っているので素材の痛みが少なく済みます。
ファーなどはクリーニング店でも外してくださいと言われますが、ファーもOKなんですね。
◎ 「プロ・ウォッシュ」を使う時の注意点
「現役を直接、衣類につけない」
「他の洗剤と混ぜて使わない」
この2点はしっかり守って使ってください。
どの洗剤を使う場合でも、事前に洗剤と水を合わせて混ぜておいてから洗濯する衣類を入れます。
◆絶対にもみ洗いしない
「プロ・ウォッシュ」を使う場合も、一般的なドライマーク洗剤を使う場合でも洗う衣類はあらかじめたたんだ状態で漬け込みます。
「プロ・ウォッシュ」の場合は浸けこむだけ(ウールは3~5分)でOKですが、ドライマーク洗剤などの場合は優しく押し洗いを何度かします。
その際、絶対にもみ洗いはしないようにして下さい。
すすぎは2回します。
「プロ・ウォッシュ」は1回でもOKとなっていますが・・・
◆脱水は短めに
脱水は30秒~長くても1分程度です。
レーヨンなら15秒位でやめましょう。
たたんで洗濯ネットに入れて脱水したほうが型崩れが少ないです。
◆平干しで陰干し
100均などにも売っているネットの平干し用のものがあれば、それを使って下さい。
またはピンチハンガーの上の部分を利用するとか、梅干しを干す時などに使う大きな平らなザルなどを利用してもいいでしょう。
ハンガーなどにかけて干すと型崩れの原因になります。
変色・黄ばみなどを防ぐために絶対に陰干しにして下さい。
仕上げのアイロンかけで重要なポイント
◆仕上げはスチームアイロンで
スチームの量が多いアイロンがベストです。
ドライアイロンは使いません。
なるべく大きなアイロン台があると便利ですね。
平らに広げて大きさを確認しながらスチームを当てていきます。
必ず5cmほどアイロンを浮かせてかけましょう。
モヘヤなどの場合は10cmくらい浮かせてかけます。
直接、セーターの上にアイロンを乗せないようにして下さい。
仕上げアイロンをかけた場合、「完全に冷めるまで動かさない」のが鉄則です。
途中で動かすとせっかく整えた形状がダメになり、崩れてしまうんですね。
ですから、触ってみて完全に冷えているのを確認してからしまいます。
急ぐ場合はうちわであおいで冷ましてもいいですよ。
少し一部が伸びてしまった場合などはアイロン台にセーターをピン打ちして、その状態でスチームをかけるといいですよ。
この時も冷めるまで動かさないようにして下さい。
ウールのセーターなどニット製品で伸びてしまった部分を縮ませるほうが簡単で、縮んでしまったものを伸ばすのはちょっと難しいですね。
まとめ
ウールは水の温度差があると縮みます。
その温度差によって縮むことを利用して、「縮絨(しゅくじゅう)」という方法でセーターなどを作る場合もあります。
手で洗ったり、洗剤を溶かした熱湯につけたりして行うフェルト加工ですね。
網目がほぐれるようにやさしくこすってから熱湯・冷水・熱湯の順にすすぎます。
縮絨の方法にもいろいろあるので、つけるお湯の温度が違う場合や工程が違う場合もあります。
素材や温度によっても収縮の度合いが異なるので、縮絨を使った製品を作る場合はあらかじめ試し編みをしたものでやってみて、どの程度縮むのかデータを取ってから作らないときちんとしたサイズ通りにできません。
風合いを出すためだけの軽い縮絨なら、一回り大きく編んで、低い温度のお湯を使って、温度差も少ない状態で行うこともあります。