松花堂弁当は懐石料理、幕の内弁当は本膳料理の流れをくむものといわれていますね。
その松花堂弁当の由来と和食の食べ方のマナーなどを紹介したいと思います。
松花堂弁当の由来
松花堂弁当の由来は石清水八幡宮にあった瀧本坊の住職を務めた松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)が好んだ四つ切り箱が器の基になっています。
◆松花堂昭乗
※真言宗を極めた高僧であると同時に「式部卿」「惺々翁」「空識」「南山隠士」など多くの号をもつ、絵画、書道、作庭、茶道、和歌など多方面に才能を発揮した当代一流の文化人
※近衛信尹(このえ のぶただ)・本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)とともに「寛永の三筆」に数えられ、「松花堂流」の祖として名高い
◆吉兆の創始者が四つ切り箱をヒントに
農家の種入れとして使われていた箱の内側を十字に仕切った器をヒントに、茶会で使用する煙草盆や絵の具箱として、松花堂昭乗が使用していたのを日本料理「吉兆「きっちょう)」の創始者である湯木貞一(ゆきていいち)氏がみそめ、器の寸法をやや縮めて縁を高くし、料理がおいしそうに、美しく盛りつけできるように工夫を重ね、茶会の点心などに出されたそうです。
四つ切り箱を好んだ昭乗に敬意をはらって「松花堂弁当」と名付けられたようですね。
あの高級料亭「吉兆」の創始者が四つ切り箱によってひらめきを得て、この松花堂弁当が誕生したようです。
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松花堂弁当の食べ方のマナー
フランス料理のコースのマナーとかも、よくわからないという人もいると思いますが、格式のある席での和食マナーはもっと厳しいかもしれませんね。
ここでは簡単な和食マナーの基本について紹介したいと思います。
【和食マナーの基本(主なもの)】
◆箸の持ち方
※片手で持つのはNG
※右手で持ち上げ、下から左手に持ちかえ、右手をお箸にそってすべらせるようにして下から持つ
◆割り箸の場合
※お箸を横にして両手で持ち、静かに上下に力を入れて割る
◆お箸のタブー(主なもの)
○逆さ箸 大皿から取り分ける時は取り箸をお願いする
○渡し箸 箸置きなどを使わず、器の上に箸を置くこと
○刺し箸 料理に箸を突き刺すこと
○迷い箸 何を食べるか迷いながら箸先をあちこち動かすこと
○寄せ箸 箸を使って器を引き寄せること
○ねぶり箸 箸先をなめること
◆手皿を使うのはタブー
※口に運ぶ時に手を添えるのはタブー
※懐紙を使う
◆汁物の蓋はお盆の外に置く
※蓋のあるもので右側のものは右横に左側にあるものは左横に
◆食べ終わった時に汁物の椀にふたをするとき裏返してはいけない
◆ごはんを食べる時に香の物などをのせて食べない
◆ワサビはしょう油にとかずに刺し身などに直接つける
◆焼き魚などの、残った小骨や皮などはまとめて器の左手前に置く
【懐紙の使い方】
◆懐紙とは
※和紙を二つ折りにしたもの
※懐中に入れていたので懐紙という
※茶の湯や懐石料理の必需品
※茶席などでは真っ白を使用
※模様入りのものもある
※文具店や和紙製品の店で買える
◆どうやって使う?
※残した小骨や皮などが見苦しい時は懐紙で隠す
※グラスなどについた口紅などを拭き取る
※料理を口に運ぶ時の受け皿に使う
※お菓子などを受け皿のかわりに使う
松花堂弁当など和食で左利きの人はどうやって食べる?
和食のマナーは右利きの人を基本に考えられているようです。
とくに格調高い和食マナーなどでは左利きの人は考えられない・・・ということをはっきり言っているところもありますね。
昔は和食マナーで困るからと、左利きの子供も字を書くことと(習字などでも困るので)、箸を持つのは右手に矯正されていました。
矯正というのは差別だという意見もありますが・・・
左利きの人で両手が使えるようなら右手を使ったほうがいいでしょう。
あまりマナーなどにうるさくないような場合は左手で料理をいただく人も多いようです。
ただ、高級料亭のような格式を重んじるような席では、右手がマナーになっているようですね。
動作で最も大切なのは、粗相(失敗)をしないことであり、本来は利き手で動作をするのが作法だという意見もありますが・・・
お店によってはかたくなに右手を使うように求めるところもあるようです。
実際、障害などがあって右手または左手が全く使えない場合、和食マナーは器を持って食べるのが基本ですけど、それが出来ませんよね。
右利きで健常者である人を前提にマナーがつくられたように思えます。
まとめ
日本料理というのは食器の上に食器を重ねるのを嫌うそうです。
洋食などでは皿の上に皿とか、よくありますよね。
でも松花堂弁当って四つ切りにされた枠の中に食器をはめ込んでますよね。
温かい天ぷらなどと一緒に冷たい刺し身も提供できますし、あらかじめ器に盛り付けておいて、一気に四つ切り箱にはめ込んでいけるので便利なんですね。
ちょっとオシャレな和風ワンプレートランチって感じでしょうか・・・