高齢になると足腰が弱くなり、歩行に困難をきたすようになることもありますね。
自力歩行はできるけど、杖があった方がいい場合に杖の購入を考えると思いますが、杖を選ぶ時のポイントをしっかりおさえておきましょう。
杖の選び方によって、かえって転んでケガをしたりしないように体にあったものを選ぶことが大切です。
また、外出時に杖の置き場に困らない便利グッズも紹介したいと思います。
高齢者の杖の選び方のポイント
【杖の種類】
◆1本杖(ステッキ)T字型杖(もしくはL字型杖ともよばれる)
もっとも普及しているタイプの杖です。
200g~500gの重さがあり、取っ手と支柱に角度がつけられています。
◆多点杖
多点杖は1点杖よりも安定する、杖の先が3点とか4点に分かれている杖です。
ただし、段差や凹凸のある地面では、不安定になるのでおもに室内用として使われます。
◆ロフストランドクラッチ
前腕固定型杖といいます。
腕輪に腕を通してから持ち手を握るので、体重を乗せながら歩く人に向いている杖です。
腕の力も使えるので、握力が十分担い人に有効な杖です。
◆肘支持型杖(リウマチ杖)
手首や肘などに障害があって、自由に伸ばすことが出来ないリウマチや関節炎の人などにむいている杖です。
◆松葉杖
通常は2本一組で使う杖です。
骨折、捻挫、股関節症などの障害のある人に向いている杖です。
ここではもっとも普及しているステッキ(1本杖)について紹介します。
本当は杖を選ぶ時は理学療法士などの専門家に相談してから選んだほうがいいのですが、その理由はつねに杖を使っていると、自力で歩行できる力があるのに杖に依存しすぎて、身体的機能が低下する可能性もあるからです。
杖を使う時も、自分の身体的機能が落ちないような使い方をしないといけませんね。
ですから、できるだけ専門家のアドバイスを聞くということも重要です。
【杖の選び方】
杖を選ぶ際、一番大事な部分は握る部分です。
人の体に接する部分が一番重要なんですね。
同じ身長でも手の大きさも同じというわけではありませんから、握った感触も変わります。
柄と握りの角度も、小指側のほうが少しだけ高くなっているもののほうが自然に歩きやすいと思います。
杖の重さもある程度の重さがあったもののほうが、つく時に安定します。
折りたためるものや伸縮式のものもありますが、丈夫なのはそういうアジャストが出来ないタイプです。
杖を選ぶ時の基準となるのが長さです。
体にあった長さの杖を選ばないと、かえって肩がこったり腰を痛めたり、杖をついた時に不安定になる場合もあります。
スポンサードリンク
杖を選ぶ時の長さの基準になるもの
杖を選ぶときには屋内で使うなら靴を脱いで、屋外用ならいつも履いている靴を履いて計測します。
また、(2)の方法で杖を選ぶ場合、いつもは前傾しているのなら、まっすぐに立って身長を計測すると、体に合わない杖を選ぶことになってしまいますので注意が必要です。
◆杖の長さの決める方法
(1)まっすぐに立って、両手を体に沿わせるようにしておろします。
床(地面)からおろした手の手首の骨が出ている部分までの長さを計測します。
この寸法が握りの位置の目安になります。
(2)身長÷2+3cm
この計算式で杖の長さを決める方法です。
高齢者の場合、まっすぐに立てずに少し前傾姿勢になっている場合もありますよね。
この場合は普段歩く時の姿勢をとってもらい、その時の身長を計測し、それを2で割ってから3cmたしたものにする方法です。
◆身長による長さの目安
◎ 140cm 72cm
◎ 144cm 74cm
◎ 150cm 77cm
◎ 154cm 79cm
◎ 160cm 82cm
◎ 164cm 84cm
◎ 170cm 87cm
◎ 174cm 89cm
◎ 180cm 92cm
【杖を使った歩き方】
◆杖を握り、一歩前に出します。
◆出した杖に体重をかけながら足を出します。
◆両足を揃えます。
杖の交換部品や外出先で杖の置き場に困らない便利グッズ
【交換部品の杖先ゴム】
杖を買ってから使いはじめると、消耗していくのが「杖先ゴム」です。
新品の状態から1年も使い続けると、ゴムが摩耗して滑りやすくなってしまいます。
そうなると危険ですから、つねに杖先ゴムの状態をチェックして、早めに交換した方がいいでしょう。
できれば杖を購入する時に交換用の杖先ゴムを何個か一緒に購入しておいたほうがいいですね。
杖と杖先ゴムが違うメーカーだった場合に、SGマークがついている商品に使用するとSGマークの対象外となってしまいます。
◆杖先ゴムの交換方法
すでについている古い杖先ゴムは、そのゴムを回しながら外します。
かなり力がいりますよ。
滑り止めのついた軍手や革手袋などを使ったほうがいいかもしれません。
回しながら引き抜いて外します。
次に新しい杖先ゴムをはめて、途中からは床や地面に杖をつき、体重をかけながら押し込みます。
杖先ゴムを購入する時は杖先ゴムの外径ではなく、杖のシャフトのサイズなので、杖の一番下の経を測ります。
【転ばぬ杖】
転ばぬ先の杖ではなくて「転ばぬ杖」です。
これはどういう時に使用するかというと、外出した時に食事をしたりする時など、杖の置き場所に困ることはありませんか?
立てかけておいても滑って倒れてしまったりして、困ることありますよね。
そんな時に便利なのが、「転ばぬ杖」です。
両手を使いたいときや着席するときなど、杖を倒さず置くことができます。
磁石付きのものが多く、ネット通販でもメール便なら送料無料で購入できるショップもあります。
杖の直径が15~20mm用のMと21~25mm用のLとがあります。
これを杖にセットしておけば便利ですよ。
まとめ
杖も柄がおしゃれなものがたくさんありますね。
でも杖は歩く時の補助の福祉用具ですから、きちんと体にあったものを選ぶことが大切です。
敬老の日などにプレゼントする場合などは、事前にきちんと測ってからのほうがいいかもしれません。