相馬野馬追は世界一の馬の祭典と言われています。
甲冑姿の数百もの騎馬武者たちの行列などを見ると、戦国時代にタイムスリップしたかのような感じがしますよね。
7月のとても暑い時期に行われるので、野馬追を見に行く時は日焼け対策や熱中症対策も必要です。
相馬野馬追 2015日程
相馬野馬追は以前は固定された日で行われていましたが、現在は毎年7月の最終土曜日・日曜日・月曜日となっています。
野馬追には5つの郷「宇多郷(うたごう)、北郷(きたごう)、中の郷(なかのごう)、小高郷(おだかごう)、標葉郷(しねはごう)」でそれぞれ編成された騎馬会が参加します。
◆出陣式
この郷の中の「宇田郷」中村神社から総大将が出陣します。
総大将は藩主の子孫が勤め、赤いほろと三本扇を装着しますが、この三本扇は藩主直系の者にのみ許されています。
御一門の場合は三日月短冊となります。
中村神社から出陣した、総大将率いる宇田郷の騎馬武者たちを、途中で副大将が率いる北郷騎馬会の騎馬武者たちに出迎えられ、そこから一緒に雲雀ヶ原祭場地へと向かいます。
【平成27年 相馬野馬追】
◆日程
平成27年(2015年)7月25日(土)・26日(日)・27日(月)
◆野馬追い観覧料金
※一般自由席(当日券)大人1,000円(高校生以上)
※6月上旬から前売り 大人800円(高校生以上)
※行列観覧桟敷席のみは、甲冑競馬及び神旗争奪戦は観覧できません
※桟敷席・セット席については、定員数に達したため、以後の予約についてはキャンセル待ちとなります。
メインの観覧席となる場所は「七曲りの坂」の両サイドになりますが、この席はほとんど団体席で予約されていることがほとんどですね。
◆お行列 7月26日(日)本祭り
◎お行列開始 9:30(原町区:野馬追い通り 小川橋付近)
※列順:中之郷・小高郷・標葉郷・北郷・宇田郷の順
◎お行列終了 11:00 雲雀ヶ原祭場地に到着予定
この相馬野馬追は真夏の時期に行われるので、お行列を見ていて倒れる人も多いのですが、じつは馬も暑さでひっくり返ることも・・・
いい場所でお行列を待つためには、早くからその場所に行かなければならないので、日焼け対策や熱中症対策も必要です。
待つ時間が長い場合、帽子やビニールシートとかあったほうがいいかもしれません。
◆式典執行
①騎馬隊整列
②開式の挨拶
③礼螺(れいがい)
※法螺貝を吹く
④祝詞
⑤執行委員長挨拶
⑥総大将訓示
⑦相馬流れ山斉唱
⑧閉式挨拶
◆相馬流れ山踊り伝承公開
◆甲冑競馬 12:00 各10頭立て
①螺役(かいやく)騎馬 1回
②一般競馬 9回
計 10回
◆神旗争奪戦 13:00
※狼火20発 御神旗40本
※一発の中に御神旗は2本入っている
このイベントの中では神旗争奪戦が一番の見どころだと思います。
お行列も面白いのですが、やはり騎馬武者の戦いはこの、神旗争奪戦ですね。
見事に御神旗の赤い旗を手に入れたものは、七曲りの坂を駆け上り、本陣山頂上の審判に見せ、妙見社のご褒美を貰います。
野馬追いに参加する人すべてが、馬を自由に乗りこなせるわけではなく、せっかく御神旗を手に入れたのに、七曲りの坂を上れない・・・なんていうこともあります。
以前はサラブレッドだけでなく、ばんえい競馬に出るような馬もいましたね。
この相馬野馬追にはJRAを引退した競走馬がけっこう出ています。
ただ、この野馬追は花火がたくさん上がるので、馬にとっては花火に慣れることが試練だとか・・・
相馬野馬追を観覧する雲雀ヶ原祭場地は、きちんとした椅子があるわけではないんですよね。
傾斜になっているところに座ります。
この場所はほとんど、かなり前から団体客の予約でいっぱいですね。
野馬追のツアーなどを利用したほうが、席が取れやすいと思いますが・・・
【相馬家の家紋】
相馬家の家紋は九曜です。
この家紋は九州の細川家と同じものですね。
中心に大きな丸があり、その丸の周りを8つの少し小さな丸が囲んでいます。
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相馬野馬追に欠かせない甲冑師
相馬には社団法人日本甲冑武具研究保存会に認定される全国でも数少ない指定甲冑師がいます。
「たちばな甲冑工房」には展示室などもあり、本物の甲冑を見ることができます。
甲冑の部品は数千から一万点にもおよぶそうで、鍛冶、彫金、漆塗り、染色といったさまざまな技術を使い、一人で制作するそうです。
ここで作られた甲冑はそのまま戦に出陣できる作りになっていて、昔の工法で作られているんだとか・・・
新しく甲冑を作ると3年かかるそうです。
この「たちばな甲冑工房」では甲冑の修理も行っていて、残っている部分に合わせて修理していくので、新しく作るより手間と時間がかかるみたいですね。
相馬野馬追の合図は法螺貝で行われる
「野馬追は貝に始まり、貝に終わる」と言われています。
馬に騎乗する時、出発する時、馬の歩みを速めたり遅めたりする時など、軍勢への合図はすべて法螺貝(ほらがい)で行われるんですね。
法螺貝の合図は全部で18種類あるそうです。
通常は法螺貝は貝の口を上に向けて吹きます。
ただ、下に向けて吹く時もあり、それは鎮魂の意味を持つ奏法なのです。
東日本大震災での犠牲者を悼む時などは下に向けて吹いていましたね。
相馬野馬追のアクセス
【電車&バス利用】
東日本大震災以後、原発事故によって常磐線は分断されています。
東京から行く場合は新幹線で福島駅まで行って、そこから南相馬までのバスを使うこともできますが本数がありません。
1日4往復だけです。
仙台まで行って、常磐線を南下して浜吉田駅から相馬駅間で代行バスを利用することになります。
代行バスは福島交通が運行しています。
相馬から原ノ町までは電車が走っています。
【車利用】
◆東京~相馬インター・・・約3時間(常磐自動車道経由)
◆東京~二本松インター・・・約3時間10分(東北自動車道経由)
二本松インター~原ノ町・・・約1時間45分(県道)
相馬野馬追は各旅行会社でもツアーが組まれています。
観覧席もセットになっていますし、一人参加もOKなのでツアーを利用してもいいかもしれませんね。
まとめ
中村神社は県立相馬高校のすぐ近くにあります。
相馬中村神社の起源は相馬氏の始祖である平将門が承平年間(931年~937年)に下総国猿島郡に妙見社を建立したことに始まるといわれているんですね。
この中村神社の宮司の娘さんで禰宜(ねぎ)である田代麻紗美さんは、あの秋篠宮妃紀子さまの弟の川嶋舟さんと結婚されましたが、残念ながらその後、離婚されています。
川嶋舟さんは獣医で、馬を通じて知り合ったようですが・・・
※禰宜(ねぎ) 宮司・権宮司につぐ神職